高血圧のタイプ(ギューッと型・パンパン型)調べる方法・改善方法・薬物治療 名医にQ 6月16日

2012年6月16日放送のNHKここが聞きたい名医にQではタイプ別が効く!高血圧対策ということで高血圧のタイプや改善法について紹介されていました。

出演者:慶應義塾大学教授・伊藤裕、川崎医科大学教授・柏原直樹・国立病院機構九州医療センター科長 土橋卓也

高血圧とは?

高血圧とは心臓から送り出された血液が血管の壁に与える圧力が、常に高くなっている状態のこと。日本高血圧学会のガイドラインによると、医療機関で測る場合は収縮期血圧140mmHg以上/拡張期血圧90mmHg以上、家庭で測る場合はそれぞれ135 mmHg以上/85mmHg以上、いずれか1つでも当てはまれば、高血圧と診断される。

ギューッと型とは?

高血圧は血管の状態によって2つのタイプに分けられその1つが「ギューッと型」。「ギューッと型」とは、体を活動的にする交感神経が刺激され、血管がギューッと収縮することによって血圧が上がるタイプの高血圧のこと。

ギューッと型の特徴

ギューッと型の原因としては、ストレスが多い生活を続けることなどがあり、「神経質な性格」「早朝の血圧が特に高い」「血圧の変動が大きい」などの特徴がある。

パンパン型とは?

高血圧のもう一つのタイプが「パンパン型」。パンパン型とは、血液量が過剰になってしまい血圧が高くなるタイプの高血圧のこと。このタイプに関係が深いのが塩分で、塩分をとりすぎると血中の塩分濃度を一定に保つため、まわりの組織や細胞から水分が引き込まれ、血液量が増える。このため、血管がパンパンになり、血管の内側からの圧力が高まります。

パンパン型の特徴

パンパン型の特徴としては、「腎臓の働きが低下」「塩分を多くとる」「高齢」「血縁者に高血圧の人がいる」「夜も血圧が高い」などがある。

血圧のタイプを調べるには?

ギューッと型・パンパン型の高血圧のタイプは、血液検査でわかります。重要なのは、ノルアドレナリン、レニン、ANP(心臓から分泌されるホルモンの一種)の値。ノルアドレナリンとレニンの値が高い場合はギューッと型で、ANPの値が高い場合はパンパン型が考えられる。ANPは血液量が増えると盛んに分泌され排尿を促す働きがあるため、この値の上昇は、パンパン型になっていることを示している。

タイプ別の薬物治療とは?

ギューッと型:ARB・ACE阻害薬・カルシウム拮抗薬

「ギューッと型」の高血圧に使われる薬としては交感神経に働く「交感神経抑制薬」や腎臓から出されるレニンの関連物質に作用する「ARB」「ACE阻害薬」、また「カルシウム拮抗薬」などがある

パンパン型:利尿薬・カルシウム拮抗薬

「パンパン型」では塩分・水分がうまく排出されることが重要。腎臓に働く「利尿薬」を使うことが多く、「カルシウム拮抗薬」もよく併用される。利尿薬には塩分とともに体内のミネラル、とくにカリウムを一緒に排出してしまう副作用があり、また脱水症状が起こす人もいますので注意が必要。

ギューッと型の生活改善「ストレス解消」

ギューッと型の人は常日頃からストレス解消するようにこころがける。おすすめは「腹式呼吸」

腹式呼吸の方法

(1)安定する椅子にしっかり腰かけ、かるく背もたれに寄りかかるようにする
(2)おなかのふくらみを感じるように手をそえる
(3)鼻から5秒で吸って、口から10秒ではく
(4)息が続かない人はろうそくの火を吹き消すような要領で口をすぼめる
吸って吐いてを1セットとして2~3セット行うだけで効果がある。こまめに休憩がわりに行う。

パンパン型の生活改善「減塩」

パンパン型の人にとくに重要なのが「減塩」。高血圧の人では1日6g以下が目標とされる。また、ギューッと型の人の場合も減塩すると薬の効き目がよくなるという効果がある。しかし、減塩の指導を受けた高血圧患者でも20%しか守れていないという調査結果もある。減塩を心がけるだけではなく、病院の尿検査などで摂取した塩分量を実際に調べることも重要。

薬の効きすぎを防ぐにはどうする?

72歳のギューッと型の女性が薬の効きすぎによる低血圧で、妹が目の前で倒れてしまった。その後、高血圧の薬をのむのに抵抗を感じるようになった。高血圧の薬はやめられるか?という実際の患者さんのケースを紹介。

伊藤先生の意見

ギューッと型ではどんなことがストレスとなって血圧が上がっているのかわからない。一日のうちに何度か血圧を測って記録し、その上で薬の選択をする。

柏原先生の意見

体格や年齢、腎臓の機能などによっても薬の効き方が変わってくる。薬の量やのむ時間などを工夫すれば防ぐことができる。自己判断で薬を中断することはやめる。

土橋先生の意見

高齢者では食事や入浴・飲酒などで血圧が下がることがある。24時間血圧計などを使い、どのタイミングで血圧が下がるのかモニターすることも適切な治療を考えるのに役立つ。

高血圧の薬はやめられる?

柏原先生の意見

高血圧の薬を続けるメリットは大きい。とくに命に関わるような脳卒中などを防ぐ効果は高いので、できるだけ続けるほうがいい。

土橋先生の意見

ストレス対策や減塩など生活改善に取り組めば、薬を減らすことは可能。

伊藤先生の意見

パンパン型では腎臓が悪くなっているので薬をやめるのは難しいが、ギューッと型では比較的生活改善を行うと血圧が下がることが多い。薬をもらうために病院に通い続けることが他の病気の発見にもつながることもある。

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