元少年兵の知られざる真実。ミャンマー、アフリカ・コンゴの少年兵の実態

2013年放送の日本テレビ・世界一受けたい授業「全世界に25万人 知られざる少年兵の真実」ではミシェル・チクワニネさんが全世界に25万人いるという少年兵の真実について話していました。

元少年兵のミシェル・チクワニネさん

現在地球上には子どもたちの7人に一人、実に2億人以上が危険な鉱山や工場などで奴隷なような労働を強いられている。中でも最も過酷な状況にあるのが全世界の紛争地帯で戦闘に駆り立てられているおよそ25万人の少年兵。

その驚くべき現状を世界の人々に知ってほしいと切実に訴えるのが元少年兵でNPO邦人フリー・ザ・チルドレンのミシェル・チクワニネ先生。

アフリカ中部にあるコンゴ民主共和国に生まれたミシェル・チクワニネ先生は5歳のとき誘拐されて薬物を投与され少年兵に。その後、難を逃れてカナダに移住。現在はトロント大学で研究に励みつつ少年兵撲滅の講演活動に取り組んでいる。

ミャンマーの少年兵

最近まで政権が安定しなかったミャンマーでは頻繁に紛争が繰り返されていた。そこに利用されたのが多くの子供の兵士。子どもたちが兵士として利用された背景には民主化されたミャンマーが抱えていた貧困問題が影響している。

その貧しさ故に大人たちは自分の子供を身売りせざるを得なかった。残念ながら他に選択肢はない。

武装勢力にとっても大人に比べて純粋な子供は理由しやすいという側面が合った。このような悪循環が繰り返されて少年兵の問題は以前として解決されていない。

メキシコの少年兵

中米のメキシコでは麻薬組織がらみの事件が後を断たない。犠牲者は組織のみならず一般市民も含めておよそ5万人にのぼると言われている。

そのメキシコでは子供なら怪しまれないのを良いことに麻薬組織が子どもたちを麻薬の密売や運搬などの犯罪行為に利用している。

そんな悪化する治安の中で身柄を拘束された14歳の少年。名前は明らかになっていないが対立する麻薬密売組織の主要人物を少なくとも7人殺害した犯人だった。

この残虐な殺人事件の犯人が少年だったとわかり国中に衝撃が走った。

コンゴ民主共和国の少年兵

紛争や戦争という言葉を聞くと国の政治に不満を持った反政府軍と政府軍の戦いだと思われがちだが、コンゴ民主共和国での戦争のきっかけはパソコンや電子機器を作るのに欠かせないレアメタルの奪い合いだった。

コンゴを含めアフリカの国々の戦争のきっかけの多くはこういったビジネス。その紛争に駆り出されているのが子どもたち。

レアメタルの争奪と統制のとれていない国軍の影響から犯罪行為が日常化している。そしてもっとひどい問題が誘拐により多くの子供達が兵士にされているという事実。

94年から始まったこの紛争は未だに解決できていないまま。

大人の兵士にとって少年兵は使い捨ての道具。対立するゲリラとの戦闘になるとまず前線に立たされるのは少年兵。つまり子供を盾代わりに使って大人は後方から銃を撃つ。

万が一逃げるようなそぶりを見せたら子供同士が告げ口をするシステムができている。おまけに密告した子供にはご飯をあげるとか褒美をあげる。そのようなだれも信用出来ないシステムになっている。もちろん連帯責任もとらされる。

ミシェル・チクワニネさんの体験

さらに番組ではミシェル・チクワニネさんが誘拐された時のことを話していました。

「私は5歳の時に誘拐されて少年兵になりました。今も覚えています。友達と原っぱでサッカーをしていたら突然軍人がトラックでやって来ました。

銃声がいくつか聞こえたと思ったら周りの友達が倒れて抵抗するべくもなく誘拐されました。5歳ですしとにかくどうしていいかわからない。そして親友とトラックにのせられました。その時はもちろん怖かったです。実際どのくらいの時間移動したのかもよくわかりません。しばらくしてトラックが止まり見知らぬ場所で降ろされました。恐怖で震えていると兵士がこう言ったのです。『さあ今からお前たちを軍隊に入れる儀式を始める。』

すると突然兵士は僕の手のひらをナイフで切りつけたのです。もちろん血がでてきました。そしてさらにあるものが刷り込まれたのです。それはコカインと銃弾などの火薬に含まれるトルエン。僕を薬によって洗脳したわけです。

コカインと同じように火薬に含まれるトルエンには幻覚作用があるのです。どうなっているのか本当によくわかっていませんでした。気づくと目隠しをされ、さらに銃を持たされていました。そして兵士は私に撃てと命令しました。私は何がなんだかわからないまま引き金を引きました。目隠しを外した私の目の前には信じられない光景が広がっていたのです。親友が血を流して死んでいたのです。

親友をゆすりながら『起きてよ』と泣き叫んだのですけどもう彼は息絶えていました。そしたら大人の兵士がこういったのです。『お前は友達を殺してしまったのだ。もう二度と村に戻ることはできない』と。

自分自身まだ物事の判断ができない子供です。友達を殺したという負い目を負わせて洗脳して恐怖で支配する。それが少年兵にさせるための手口なのです。すごく厳しいです。すごく辛いです。」

子供が麻薬の常習者になるケースも

戦闘への恐怖心を失わせるために少年兵が麻薬を常用させられているというケースが多い。さらに恐怖感を削ぎ落とされた少年兵は自分に銃口がむけられているのに自分を守ろうともせず銃を乱射し続けています。これが麻薬の恐ろしさ。

社会復帰する難しさ

保護されたゲリラの少年兵は洗脳を解くためのリハビリ施設に入れられる。木製のおもちゃの銃を元少年兵たちに持たせ、辛い当時の記憶をあえて思いださせるというリハビリもしている。自分が人を傷つけ殺してしまったという経験を疑似体験させることによって、相手の気持ちを受け止め本当に自分の行動が正しかったのかという思いを見つめなおす試み。

一度少年兵になってしまって運良く抜け出せても社会復帰するのは難しい問題。さらにむずかしい問題は残された少年兵がどうするかということ。武装解除された時にまた別の問題が出てくる。

武装解除視されても銃を持つことを知らない子どもたち。彼らは紛争の続く別の地域に流れてしまうこともある。そして流されて子供は難民となってしまう。

そこで紛争が解決してもう戦う必要のなくなった少年兵を社会復帰させる試みがユニセフによって行われている。DDRといって武装解除・動員解除・社会再統合を行おうというもの。簡単に言うと銃を捨てて別の仕事についてもらおうというもの。

この活動では元少年兵が建設作業員や機械技師などの技能訓練に取り組んで社会復帰できるように支援が行われている。これまでにおよそ10万2000人の武装解除と約3万人の少年兵を解放し支援することに成功した。

少年兵の問題は貧困

幸い前向きな話も出てきてはいるが、この少年兵の問題とういのは結局貧困の問題から端を発している。

貧困が広がると紛争も広がる。すると人出が足りなくなり子どもたちが少年兵として使われてしまう。

元子ども兵士ミシェル来日 – フリー・ザ・チルドレン・ジャパン

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