2012年6月12日放送のNHKきょうの料理で料理研究家の飛田和緒さんが紹介していた甘い梅干し(梅の甘いぽたぽた漬け)の作り方・レシピです。
番組では料理研究家の飛田和緒さんが梅の甘いぽたぽた漬けと酸っぱい梅干しの漬け方を紹介。
長野に住む飛田さんのお母さんは毎年50kgもの梅を漬けるという梅干しの名人で、飛田さんは母譲りの漬け方で梅干し・梅酒・シロップ煮などいろいろな梅仕事を楽しんでいるそうです。
甘い梅干し(梅の甘いぽたぽた漬け)の作り方・レシピ
材料(つくりやすい分量)
★下漬け(6月下旬~7月上旬)
- 完熟梅…2kg ※熟している方が味がよく皮も身も柔らかく仕上がる
- 塩…200g
- 水…2リットル
★本漬け
- 梅(土用干ししたもの)…全量
- 赤じそ…葉を摘んで正味300g
- 粗塩…50g
- 酢…1.3~1.5リットル
- 氷砂糖…700~1000g
- ホワイトリカー…適量
- ※容器の消毒用。アルコール度数が 35度以上の焼酎でもよい。
梅について
黄色く完熟し、やや赤みがかかったものを準備する。スーパーなどで緑色の若い梅を勝った場合は追熟という作業をする。平らなザルの上に梅を広げ、常温で3~4日おいて様子を見る。ふきんなどをかけホコリがかからないようにしておく。だんだんと黄色くなるので赤みがかるぐらいに熟せばよい。
傷んだ梅はみそ漬けやしょうゆ漬けに
傷や斑点があるものは、そこから雑菌が入ってかびの原因になるので取り除く。梅の傷んだ部分を除いて、表面に竹串で穴を数か所開ける。みそやしょうゆに漬けると、ほんのりと梅風味がつく。1か月後に梅を取り出し、使い始める。冷蔵庫で半年間保存可能。
道具について
干しざる…日光がまんべんなく当たる平らなざるを用意する。
保存容器…酸や塩に強い、ホウロウのふた付き容器を使用する。梅2kgに対し、5L容量程度の大きさがあればよい。陶製やガラス製のものでもよい。
作り方・漬け方
- 1
- 梅はたっぷりの水で洗い、水けを紙タオルで拭く。なり口に付いているヘタを一つ一つ丁寧に竹串で取り除く。
- 2
- 保存容器に塩(200g)と水(2リットル)を入れてよく混ぜ、【1】の梅を入れる。
水に対して塩は10%が基本。塩水につけることであくが抜け、実がふっくら仕上がり、薄い塩分がつくことでお砂糖の味がよくのってくる。塩分が高すぎると甘みがのらず、低すぎるとカビの原因になる。
- 3
- ふたをして暗くて涼しい場所に4日間おく。
ジッパー付きの保存袋に小分けし、空気を抜いて入れ、冷蔵庫に保存するとかびが生えにくい
★土用干し
- 4
- 梅を塩水から取り出して、平らなざるなどに梅同士がくっつかないように少し間隔を開けて並べ、風通しの良い場所で3日間干す。晴天の3日間を狙って干す。梅雨明けがオススメ。昼間に一度梅をひっくり返しまんべんなく日が当たるようにする。夜間は雨を警戒し室内に取り込む。2,3日目も同じ作業を繰り返す。
なり口に水分がついているとカビの原因になるのでなり口は上を向ける。塩水は、梅が雨に当たった場合に使うので、干し終わるまで保管しておく。
- 5
- 3日間干し、梅の表面が白っぽく乾き、全体が柔らかくなり少しシワがよれば干し上がり。
★赤じその準備
- 6
- 3日目に赤じそを準備する。赤じそは葉を摘んでバケツのような容器の中でたっぷりの水で洗い、ざるにのせて乾かす。水切り器などを使いしっかりと水気を切る。水切りをした後庭の木陰などで1、2時間ほど干して乾かす。
水分が残っているとそこから傷む原因になる
- 7
- ボウルに赤じそを入るだけ入れ、塩の1/4量を加えて手で全体になじませる。ボウルの端に押しつけるようにして、しっかりともんでアクを出す。
- 8
- 濁ったアクが出てきたら、しっかり絞って汁を捨てる。残りの赤じそと塩を数回に分けて加えながら同じようにもみ、アクは捨てる。
- 9
- 澄んだ汁が出るようになったら、酢カップ1/4を加える。
- 10
- 軽く混ぜると、きれいなピンク色になる。
★本漬け
- 11
- 保存容器にホワイトリカーなどを吹きつけて、消毒する。
- 12
- 保存容器に【5】の梅を入れ、ヒタヒタになるまで酢を注ぐ。
- 13
- 【10】の汁だけを加え、容器ごと回して軽く混ぜる。
- 14
- 表面を覆うように赤じそをのせる。
- 15
- 氷砂糖の1/6量を赤じその上に並べ、ふたをして暗くて涼しい場所に保管する。
- 16
- 残りの氷砂糖は2か月間かけて、5~6回に分けて加える。甘みをすこしずつ加えることで、味がよくのってくる。
梅の状態によって、甘みののり方が違ってくるので、甘みが足りないようだったら、氷砂糖を適量追加する。
食べごろ&保存場所
梅が常に甘酢に漬かっているようにして暗くて涼しい場所で保存する。常温でもOK。最後の氷砂糖を入れてから4か月ほどたったぐらいが食べごろで、1年間はおいしく食べられる。
かびが生えたら?
梅を取り出し、塩水をこしてから煮沸させる。梅は焼酎に浸した布で一コずつ拭き、塩水が冷めてから漬け直す。
途中で雨に当たってしまったら?
焼酎に浸した柔らかい布で、梅を一コずつ拭いて消毒します。再び塩水に浸して保存し、晴れの日を待ちましょう。晴れたら、再度3日間、天日に干す。
すっぱい梅干しの作り方・漬け方
材料(つくりやすい分量)
- 完熟梅…2kg
- 塩…300g(梅の重さの15%)
- 容器…酸に強い・ホウロウ・ガラス・陶器がオススメ
- おもし…約4kg(梅の2倍)
★赤じそ
- 赤じそ(葉を詰んで正味)…500g
- 塩…100g
作り方
- 1
- 完熟梅を一晩水に漬けてアクをぬく。
- 2
- ヘタを取り水気をよく取りザルに上げる。
- 3
- 煮沸消毒をするかホワイトリカーを吹きつけた容器に塩をしき、梅をおいていく。
塩が梅全体に行き渡るように梅・塩・梅・塩と順番に入れていく
- 4
- 容器をお皿でフタをし、その上に梅の2倍のおもしを乗せ、ふきんをかけ暗くて涼しい場所に4~5日間置いておく。
梅の汁(白梅酢)が梅がひたひたになるくらいまで上がってくるまで置いておく。汁がなかなか上がってこないときは容器をぐるぐると回し、白梅酢が梅全体にかかるようになるとまた上がってくるそうです。
★赤じその準備
- 5
- 赤じそはぽたぽた漬けの時と同様に葉をつみ水洗いをして乾かす。
- 6
- 分量の塩を3~4回に分けてまぶし、ギュギュッと手で揉んでアクを出しきる。
- 7
- アクを出しきった赤じそに白梅酢を加え手で揉み込む。
- 8
- 揉み込んで出てきた赤色の汁を梅が入っている容器に入れ、赤しそをフタをするように梅の上にのせていく。
- 9
- お皿でフタをし約2キロのおもし(梅と同量くらい)をのせ、ふきんをし暗くて涼しい場所に置き梅雨明けを待つ。
★土用干し
- 10
- ぽたぽた漬けの時と同様に晴天の3日間を狙って干す。赤じそも一緒に干し、梅が入っていた汁(赤梅酢)も布をかけ一緒に3日間干す。昼間に一度梅をひっくり返しまんべんなく日が当たるようにする。夜間は雨を警戒し室内に取り込む。2,3日目も同じ作業を繰り返す。梅の表面にしわができ白っぽくなれば干し上がり。
★仕上げ
- 11
- 一緒に干していた赤梅酢に梅を一個一個くぐらせる。
くぐらせることによって表面がしっとり仕上がる。もっとしっとりとした梅に仕上げたい時は赤梅酢に戻して保存をする
食べごろ
食べごろは3ヶ月~半年後(10~1月頃)
梅酒・梅ジャムの作り方はこちらです。
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