2012年10月3日放送のテレビ東京・レディス4「老化の原因?体の糖化を止めろ」では、東海大学医学部抗加齢ドック教授の久保明さんが、肌の老化と万病の原因糖化の予防術・防止方法などを紹介していました。
病気や老化の元凶!糖化とは?
糖化は老化や病気の大きな原因の1つとして最近非常に注目されている。
私達人間は食べ物を食べ、その中の糖質をブドウ糖に分解し、エネルギーに変えることで生命を維持している。しかし、あまりにも過剰に糖質を取り過ぎ、ブドウ糖が体内に溢れる状態が続くと、肌の老化が進み、さらに動脈硬化・脳卒中・認知症などの、命を脅かす病気に働くこともある。
なぜ糖分の取り過ぎが老化と病気に繋がるのか?
食べ物を口に入れた時の体内の様子を見てみると、炭水化物が分解されてブドウ糖が血中にあふれる。するとすい臓からインスリンが出て、ブドウ糖を細胞へと運びエネルギーへと変換する。しかし、この時すべての糖が吸収されるわけではなく、血液中に残る。
この余った糖は、体の中の血管壁や皮膚のコラーゲンなどのタンパク質と結びついて、AGE(糖化最終生成物)に変化する。
AGEとは?
AGEとは血中の糖分がタンパク質と結びつき形を変えたもの。またの名を老化促進物質と言い、最近の医学では老化と病気の元凶とされている。
AGEが長く体内に留まると、タンパク質でできた血管は錆びた鉄パイプのように柔軟性を失い固く脆くなってしまう。さらに筋肉や肌も同じように硬くなり、体の機能がダウンしてしまう。
血管が糖化すると動脈硬化になる危険性があり、肌のコラーゲンが糖化するとたるみやシワなどの見た目の老化に繋がる。皮膚が茶色くなるのも糖化。
またアルツハイマー型認知症など、死滅した脳細胞を調べてみると脳細胞からAGEが大量に検出されたという調査結果もある。
糖化と繋がる症状一例
- 動脈硬化
- 糖尿病
- 脳血管障害
- 骨質の低下
- 認知症
- 肌のトラブル
どうすれば自分の体が糖化しているか分かる?
食後の血糖値を知ることが第一歩
通常血糖値は食後1時間で最も高くなり、体に一番AGEができやすくなる。食後1時間の血糖値が150mg/dlを超えるとかなり危ない。
糖化が進んでいる場合や、糖尿病のリスクがある人は、食後に血糖値が上昇してもインスリンはすぐには分泌されず、食後の血糖値は上がったままで高血糖状態が続く。するとインスリンが足りず、余った糖が体内に溢れだし、AGEがとても増えやすい状態になる。
つまり食後1時間の血糖値の上がり方で糖化のリスクが分かる。
食後眠くなる人や、食べ過ぎてしまう人も血糖値が高くなっているかも
食後に血糖値を計らなくても、食後に決まって眠くなる人や、胃がもたれる程食べ過ぎてしまう人は食後の血糖値が高くなっている可能性がある。また余り激しい運動をしないのにふくらはぎがつりやすい人なども糖化が進んでいる可能性がある
糖化を防ぐ三原則
懐石食べで血糖値の上昇を抑える
糖化を防ぐには食後の順番がとても重要。お手本は日本料理の伝統、懐石料理で出される料理の順番。
つまり懐石食べとは、まず野菜を食べ、次に魚・肉などのタンパク質を食べ、最後にごはん等の炭水化物の順番に食べること。
懐石料理と同じように野菜を先に食べるだけで血糖値の上昇はゆるやかに。しかしご飯を先に食べると血糖値は急上昇してしまう。
これは野菜・豆類・海藻・きのこなどに含まれる食物繊維には糖質の吸収を緩やかにする働きがあるため。
究極食材は緑の野菜
緑の野菜にはAGEを抑える働きがあり最近の研究でクローズアップされている。
緑の野菜を多く摂ると糖尿病の発症が少なくなるというデータがある。また果物も合わせて食べると良いというデータもある。
緑の野菜に含まれているカリウムと、ビタミンCが糖尿病・糖化を抑えると言われている。摂取量の目安は1日350gとのこと。
食後1時間に運動する
最も血糖値が上がる食後1時間を狙って運動すると、ブドウ糖がエネルギーとして使われ、AGEを減らすことができる。
基本の目安は15分のウォーキングと、膝を適度に曲げるハーフスクワット20回。
ウォーキングは食事を済ませた1時間後が絶好のタイミングなので、食後1時間に買い物に行くと良い。またハーフスクワットは洗い物をしながらでもテレビを見ながらでも簡単にできる。ハーフスクワットの代わりに階段の上り降り1〜2分でもOK
たったこれだけで食後血糖値が10〜15%ほど下がる。
糖化を防ぐお茶カモミール
カモミールの中に含まれるカマメロサイドというポリフェノールの一種は、AGEの生成を抑えるのではないかと言われている。
カモミールのじゃローマンカモミールとジャーマンカモミールの2つの種類があり、ローマンカモミールの方により多くカマメロサイドが含まれていることがこれまでの実験でわかっている
カモミールの摂取法
市販のカモミール(乾燥させたものなど)をお湯に3~5分程度浸し、お茶として飲むことがおすすめ。
糖質制限ダイエットの危険性
全く炭水化物を摂らない「超低炭水化物ダイエット」は、骨髄の機能低下を招き、逆に動脈硬化などの恐れを及ぼすということが最近の研究でわかってきたそうです。
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