2012年8月11日放送の日本テレビ・世界一受けたい授業「メタボより怖いサルコペニア肥満!太りにくい体を作る㊙ダイエット術」では、筑波大学大学院教授の久野譜也先生が、筋肉の量が減るサルコペニア肥満の予防法・原因・対策や、太りにくい体を作るダイエット方法、大腰筋を鍛えるスクワットのやり方などが紹介していました。
サルコペニア肥満とは
内臓脂肪の蓄積が様々な疾患を引き起こすメタボリックシンドローム。予備軍も含めると中高年男性の2人に1人がメタボリックシンドロームといわれている。
しかし現在新たな肥満が問題視され始めている。それがサルコペニア肥満。
筋肉の量が減少した肥満
サルコは筋肉、ペニアは減少という意味で、筋肉の量が減り体の機能が低下した状態に肥満が加わったものがサルコペニア肥満と呼ばれている。
筋肉の量は20代でピークを迎えその後年に1%以上減少。久保先生の研究室のデータによると老化による筋肉量の減少は30代前半から始まるそうです。その結果50代からは急激に筋肉が衰えていくと言われている。
大人だけでなく子供も要注意
最近は子供でも運動不足や食生活の乱れが原因で、筋肉が減少している可能性がある。文部科学省体力・運動能力検査によると、9歳の立ち幅跳びの記録が1987年の子どもと比べると、男女ともに10センチ程減少している。
これだけ減っているということは、筋肉が非常に衰えている可能性がある。大人だけではなく子供も筋肉の問題は非常に重要。
サルコペニア肥満の原因
運動不足
食べ過ぎ
サルコペニア肥満の影響
糖尿病・心筋梗塞・脳卒中などのリスクが高い
一見普通の肥満でも筋肉が衰えていると、糖尿病や心筋梗塞・脳卒中など生活習慣病になるリスクが非常に高くなる。
筑波大学久野研究所で、サルコペニア肥満が高血圧になるリスクを研究した結果、サルコペニア肥満の人は標準の人に比べて2倍以上リスクが高いという結果が出た。
寝たきりの原因に
サルコペニア肥満は寝たきりや介護が必要になる要因の一つとも言われている。
筋肉が減りだすと中年ぐらいからメタボになりやすく、基礎代謝が下がる原因になる。さらに60歳ぐらいになっていくと、筋力の低下に密接に関係して転びやすくなる。すると転倒して骨折して寝たきりになるというパターンになる。
サルコペニア肥満予防法
筋肉の量を増やすことが重要
サルコペニア肥満対策としては筋肉量を増やすことが重要。
先生の研究室のデータでは、80歳代の人が筋力トレーニングをしても、縮んでいた筋肉が太くるということが確認されている。また海外の研究では90歳代でも筋トレをすると、ある程度筋肉量が戻るということが確認されている。つまり何歳からやっても遅くないのが筋肉だそうです。
マシーンを使って行う筋トレではなくても、十分大丈夫だということが研究室の研究でわかっている。筋肉量は体重だけ測ってもわからない。家庭でも簡単に測れる体粗計というものがあるので、それで筋肉の割合を測ることができる
大腰筋を鍛える
筋肉の量を増やすカギを握るのが背骨と太ももの骨をつなぐ大腰筋。ウォーキングなどでは鍛えにくい筋肉だが、大腰筋が衰えると全身の筋肉の衰えの原因になる。
大腰筋を鍛えるにはスクワットが一番。
大腰筋を鍛えるスクワット方法
作り方
- 1
- 肩幅より少し広めに足を開いて立つ。つま先は外や内側を向かないように。
- 2
- 1・2・3・4と声を出しながら、腰を下げ、膝がつま先よりでないように曲げる。
- 3
- 同じく1・2・3・4と声を出しながらもとの姿勢に戻る ※慣れてきたら立ち上がった時に、つま先で立ち、両腕を後ろに引いて胸を張る。
10回を1セットとし1日3セットを目安に行う。
太りにくい体をつくるダイエット方法
食事制限&有酸素運動だけでは太りにくい体に!
偏った食事制限をすると筋肉の量が減少することが最近の研究でわかってきた。
食事制限だけでダイエットをする場合と、食事制限と有酸素運動でダイエットする場合、食事と有酸素運動、筋トレでダイエットする場合で研究を行った結果、3ヶ月後に体重は3つとも約3キロ落ちた。
しかし筋肉の量がどう変わったを見た場合、筋トレを加えた場合のみ筋肉の量がアップし、他の場合は筋肉の量が減少していた。
食事制限や食事制限と有酸素運動だけでダイエットを行うと、筋肉が落ちる、つまり基礎代謝が下がるので太りやすい体質になってしまう。
筋トレ&食事制限&有酸素運動を三位一体で行う
ついている脂肪を落とすには有酸素運動が効果的だが、食事制限をするとどうしても筋肉が落ちるので、重要なのは筋トレ・食事制限・有酸素運動を三位一体で行うということ。
このダイエットが科学的に一番効率的で間違いがないダイエット。
20分以上続けなくても脂肪は燃える
昔は1日20分以上続けて有酸素運動をしないと脂肪は燃えないと教えられていたが、現在は科学的に完全に否定されている。
30分続けて歩いた場合と、朝・昼・夜に10分ずつ歩いた場合の燃えた脂肪の量は同じ。少しずつでも良いので歩くことが大切。
わざわざ運動をするというイメージではなく日常生活の中で移動が運動だと考えると取り入れやすい
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