2012年11月14日放送のNHKためしてガッテン「寝ても疲れがとれない 発覚!悪魔の歯ぎしり」ということで、良い・悪い歯ぎしりの見分け方や歯ぎしりの治し方などが紹介されていました。
口破壊型歯ぎしりとは?
口破壊歯ぎしりとは歯が削れたり、ある日突然割れてしまったりと口の中がボロボロになってしまうタイプの歯ぎしりのこと。
口破壊型歯ぎしりが引き起こすのは歯の摩耗・破損。二次的に知覚過敏・歯周病・虫歯を引き起こす可能性がある。
さらに歯が削れていき真っ平になって神経がむき出しになってしまい知覚過敏の症状が多く出たり、擦れすぎて先端がナイフのように鋭利な形になってしまい、口の中を歯で切ってしまったり、歯の中がえぐれてしまったり、ある日突然パカっと歯が割れてしまうなどということが起こることがある。
起きている時よりも強い力で歯ぎしりをするのが口破壊型歯ぎしり
番組ではかなりの歯ぎしりの症状がある方の歯ぎしりのときにかかる力の強さを計測。
被験者のうち2人は、起きている時に力いっぱい噛んだ時よりも小さい力で歯ぎしりをしていたのに対し、残りの2人は、起きている時の2倍~4倍もの力で歯ぎしりをしていた。
起きている時よりも小さい力で歯ぎしりをしていたグループが良い歯ぎしりで、起きている時よりも強い力で歯ぎしりをしていたグループが口破壊歯ぎしり。
音の大きさと歯ぎしりの良し悪しは無関係。
徳永家重も口破壊歯ぎしりをしていた?
江戸幕府9代将軍徳永家重は、ちょっと変わった将軍として有名で、人前にでることを極端に嫌ったため家臣でさえもその姿を滅多に見ることができなかったという。幕府の公文書でさえ、その言動を伝える記録が少ないと書かれるほど、秘密のベールに包まれていた。
しかし1960年増上寺建て替え工事のため、家重の骨が詳しく調べられることになった。調査の結果判明したのはは、彼が異常ともいうべき歯ぎしりをしていたという事実。歯を見ていると歯ぎしりによって激しくこすられた跡がみられ、さらに奥歯が抜け落ち前歯も変形していた。歯の変形が起こると発音に著しく支障をきたすと言われている。
人前にでるのを極端に嫌った家重。その大きな原因は、ひどい歯ぎしりによって言語が不明瞭になったことだと考えられている。
良い歯ぎしりの正体
神奈川歯科大学教授の砂糖貞雄さんによると、歯ぎしりは非常に大事な機能でむしろやるべきなんだそうです。歯ぎしりは多かれ少なかれ誰でもしているもの。軽い力で歯ぎしりをしている分には、体に良いものなんだそうです。
歯ぎしりが逆流性食道炎を予防する
歯ぎしりをしたほうが良い理由はある病気に関係している。
嫌な胸焼け、胃のもたれ、激しいむのの痛みが襲う病気逆流性食道炎。胃酸などが胃から逆流することで、食道に炎症が起こる病気で患者数は1200万人。この逆流性食道炎を歯ぎしりが防いでくれるそうです。
歯ぎしりによって歯を噛み締めると反射によって唾液が出る。この唾液が胃酸を中和するので炎症を防いでくれる。
胃かいようも予防する
歯ぎしりの時間が長くなるほど胃かいようの発生率が下がるというデータがある。マウスにストレスを与えると、歯ぎしりの時間の短いグループでは胃かいようの発生率が9割。時間の長いグループでは半分以下に減っていた。
人間も歯ぎしりをするとストレス物質が減るという研究もある。
簡単!口破壊歯ぎしりの見分け方
骨隆起(口の中にできる骨の盛り上がり)
下アゴと上アゴに骨の盛り上がりがないかを調べる。これは歯ぎしりの力が歯から骨に伝わり、力が集中するところの骨が歪んで盛り上がってくるため。
骨が盛り上がるのは病気ではないのであまり気にしなくて良いが、あまりにも大きくなると舌が入らなくなり隙魔が少なくなり、発音がしにくいなどの問題が出てくる。
くさび状欠損
歯に力が加わると、力が集中する部分に細かいヒビがは入り、壊れた状態の歯になる。それがくさび状に奥深くいく。
起床時のアゴのだるさ
朝起きた時にアゴがだるいとか痛いなどの症状があると悪い歯ぎしりをしていると考えられる。
歯ぎしりをしているという自覚があってもこのようなポイントが見つからなければ、基本的には良い歯ぎしりをしていると考えて良い。
先生によると歯ぎしりはしたほうがストレス発散のためには良いそうです。ストレスがあると血糖値もあ上がり血圧も上がる。歯ぎしりをすると血糖値や血圧が下がるという研究結果もある。
子供の歯ぎしり
歯が生え変わる時期に子供はよく歯ぎしりをする。歯ぎしりをすることによってアゴが発育を助けるなどの良いてっっもあるので、子供の歯ぎしりはほとんど心配ない。
肩こり・腰痛・ひざ痛を引き起こす全身破壊歯ぎ
番組では朝起きた時にアゴや首、肩に疲労感を覚えるという女性に、寝ている時の様子を観察。力いっぱい歯をかみしめているが音はしなかった。
全身破壊歯ぎしりの正体は噛みしめ
寝ている間に歯を噛みしめたときの筋肉の活動を筋電計をつかって調べると、噛みしめるときに腰にも力が入っていた。
人間はここぞというとき歯を食いしばる。歯を食いしばることで限界以上の力が出る。しかし必要の無いときに歯を噛み締めることで、腰だけではなく全身の筋肉を疲労させてしまう。その結果「頭痛」「首の痛み」「肩こり」「腰痛」「ひざ痛」などの症状が出たり、筋肉が神経を圧迫することによって「めまい」や「視力低下」「耳鳴り」などの症状が出たりする。
全身破壊歯ぎしりの見分け方
長いこと力がかかるので起こる症状は口破壊型歯ぎしりと同じ。骨隆起やくさび状欠損、朝のアゴの症状で見分けることができる。
噛みしめの強い歯ぎしりは一番厄介で、音もしないし歯もすり減らないので歯ぎしりをしてないと思いがちなんだそうです。
歯ぎしりの治療法
多かれ少なかれ歯ぎしりは誰でもしているので歯ぎしりをしてない人はいない。歯ぎしりは病気ではないので、治療法は悪い歯ぎしりを良い歯ぎしりに変えること。
良い歯ぎしりに変える方法
簡単な方法はマウスピースを入れて歯に直接強い力がかからないようにする。またこれをすれば音もしないので楽になる。
軽い歯ぎしりができるかみ合わせに変える。
簡単には歯を削ったり、付け足したり擦ることで治すこともある。全体を治す場合は矯正という治療法になる。
コメント