2012年12月18日放送のNHKあさイチ!では白菜の甘さと旨みを引き出す天日干しについて解説していました。
白菜を天日干しすと甘さがアップする
日本料理一凛の橋本幹造さんによると白菜を天日干しをすることで果物に近い甘味を感じることができるんだそうです。見た目はほとんど変わらないが糖度を測ってみると生は4.9度、天日干しした白菜は5.5度と、甘さが12%アップしていた。
一枚ずつ剥がした白菜をザルに乗せ天日干しにすることで水分が蒸発して甘みが凝縮する。橋本さんは白菜を店で使うときは必ず干してから使うとのこと。
甘さ以外にも驚きの変化が
番組では太陽の光が野菜に与える影響を研究しているお日様博士こと青木秀敏さん(八戸工業大学バイオ環境工学教授)を取材。太陽と同じ光を照射する人工太陽で研究すること15年。その結果これまで知られていなかったパワーを発見した。
太陽の光で白菜を干すと甘味成分だけではなく、旨味成分を増やすことにつながるんだそうです。生の白菜と2時間干した白菜でどれだけ旨みが違うか調べるために、旨味成分のもとアミノ酸の量を分析。すると生に比べて干した白菜はアミノ酸の量がおよそ20%増えるということがわかった。
今までの天日干しの効果というのは水分が蒸発して甘みや旨みが凝縮すると言われていたが、紫外線が当たることで旨みのもとのアミノ酸が増えるということがさらにわかった。
なぜ太陽の光を浴びるとアミノ酸が増える?
白菜にはタンパク質が含まれている。タンパク質はアミノ酸が長い楔のようにつながったものだが、このままでは旨味を感じることができない。ところが太陽に含まれる紫外線が当たると白菜の中にある酵素が活発に働く。この酵素が楔を断ち切って、アミノ酸がばらばらになる。すると旨みを強く感じるようになる。
干す時間は3時間がベスト
実験の結果3時間で25%までアミノ酸が増えるがそれ以降は増えないことがわかった。つまり旨みを増すためには3時間の天日干しがおすすめ。
橋本幹造さんの白菜とじゃこの炒り煮レシピ
番組では白菜の甘さを満喫する料理として白菜とじゃこの炒(い)り煮を紹介。肉や油を一切使わないので白菜の甘みを存分に楽しめる一品。じゃことカツオ節の風味が白菜と相性抜群。
材料(分量2人分)
- 白菜 6枚
- ちりめんじゃこ 20グラム
- かつお節 5グラム
- ゆずの皮 適量
- しょうゆ 小さじ1
作り方
(1)白菜を天日で3時間ほど干す。1時間半ほどたったら表裏をかえす。
(2)ゆずの皮はせん切りにし、白菜は繊維を断つように4等分に切り、その後繊維にそって3ミリの幅に切る。
(3)冷たい状態の鍋に、白菜の軸を入れて中火にかけ2分ほど炒る。
(4)2分ほど炒ったら、白菜の葉とちりめんじゃこを入れて30秒ほど炒る。
(5)火を止め、しょうゆを入れて混ぜる。さらにかつお節・せん切りにしたゆずの皮を加え、全体をまぜれば出来上がり。
ポイント
白菜はなるべく黄色い芯の方を使うとより甘みを感じることができる。
白菜は繊維にそってきることで甘みを際立たせる。
鍋が冷たい状態から炒って白菜の水分を引き出す。
しょうゆは、味をつけると言うよりは、香りをつける役割。
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