2012年12月7日放送のテレビ朝日・ワイド!スクランブルでは、ノロウイルスに詳しい財団法人北里環境化学センター保健学博士の矢野一好さんが変異型ノロウイルスの予防と対策方法について解説していました。
ノロウイルス流行警報発令
東京都は12月6日にノロウイルスの流行警報を出した。
ノロウイルスは人から人への感染が強いウィルスで、乳幼児から高齢者に至る広い年齢層で急性胃腸炎を引き起こす。
潜伏期間は24〜48時間で感染のピークは12月から1月。症状としては激しい嘔吐や下痢、脱水症状などを引き起こす。
ノロウイルスの原因
日本で最初に流行が確認されたときは牡蠣が疑われた。二枚貝がウィルスを蓄積しそれが原因となった食中毒が一番多かった。そのため牡蠣の消費される冬場に流行が起こっているのではないかと推測されていたが、今はカキや二枚貝が原因となる比率はぐんと低くなり2〜3割まで落ち込んでいる。通常腸管系のウィルスや食中毒は夏に起こるのが常識なので、この時期になぜ流行るのかははっきりとはわかっていない。
今年は変異型で感染が拡大
ノロウイルスは色々な種類がある。その中で一度感染すると免疫ができるが比較的免疫の持続期間が短い。また腸で増えるので直接血液の中にできた抗体が防御に働かないということもあり、同じ人が何回も感染することがある。
ここ6年くらいは同じ型のウィルスが流行していたが、今年になって変異型が登場したのではないかということが北海道・新潟で確認されている。
変異型は人がウィルスに感染する部分の抗体をやっつけて防御する部分を、抗体がくっつかない感じで変異しているのではないかということが、国立の研究としてわかりつつあるとのこと。
過去10年で一番流行した2006年と今年を比べてみると、同じようなグラフを示している。去年の今頃に比べるとすでに2.5倍。
ノロウイルスの感染経路
- 経口感染…ウィルスに汚染されたものを食べて
- 接触感染…ドアノブや蛇口からの感染
- 空気感染…ウィルスを含む汚物などがホコリとなり空気中に舞う
レストランなどで調理に携わる人が知らず知らずにノロウイルスに感染していて調理してしまった食べ物が汚染され、それを食べてウィルスが移るということも増えている。
ノロウイルスには特効薬はない
ノロウイルスには最近の感染症のように抗生物質がない。ワクチンも特効薬もないような状況。ウィルスの種類がものすごく多いので対応ができない。
ノロウイルスの予防と対策
加熱処理
食品は85度以上、1分以上の加熱でウィルスが死滅する。この時期は生ものなどはなるべく加熱すると良い。
手洗い
2度洗いや爪ブラシなどを使用してしっかりと手洗いをする。 ※インフルエンザウィルスなどはアルコール消毒が非常によく効くが、ノロウイルスはアルコールが効きにくい。ポピドンヨードが入った石鹸やハンドソープが有効。塩素水なども効果的。家族感染が多いのでタオルはなるべく共有しない。
汚物の処理
二次感染を起こさないために処理が大事。汚物を普通に拭いてしまうとウィルスをすり込んでしまうことになるので、抱え込むように処理をする。拭いて広げないようにする。
ノロウイルスは2〜3日程度で治るが1週間から1ヶ月は体にウィルスが残っているので、人に移す可能性があるので注意する。
NHK情報LIVEただイマではノロウイルス対策に効果的なタンニンの消毒スプレーが紹介されていました。
ノロウィルス対策に!渋柿タンニン消毒スプレーノロエース【NHK情報LIVEただイマ12月21日】
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