2015年2月1日(日曜日)放送のTBS・駆け込みドクター「ナゾの痛み徹底解明SP」では、耳鼻咽喉科の山西敏郎先生がドライノーズの原因や対策、鼻うがいのやり方などを紹介していました。
ドライノーズとは?
朝起きると鼻がツーンとして痛い。風邪でも花粉症でもないのに鼻がムズムズ。鼻をかんでも鼻水が出ない。これらの症状がある人はドライノーズという病気の疑いがある。
ドライノーズ(乾燥性鼻炎)とは、鼻の中の粘膜が乾燥して炎症を起こした状態のこと。症状としては鼻がヒリヒリ痛んだり、鼻が詰まったり、鼻血や鼻くそが出るなどがある。
今の時期お部屋にこもって仕事をしている人は、鼻の中が非常に乾燥して炎症が強くなってしまう。
実際に鼻の内部を見てみると、ドライノーズの人は正常な人に比べて白くなっているのがわかる。
これが乾燥によって炎症を起こした粘膜。赤い点々は鼻血の痕。ひどくなるとプールで鼻に水が入った時のような、鼻の奥にツーンとした痛みを感じることもある。
ドライノーズの症状を自覚しているかを10歳以上の男女300人を対象に調査した所、93人がドライノーズの症状を自覚しているという調査結果もある。(※出典:日本臓器製薬)
ドライノーズの原因は湿度の低下
ドライノーズの最大の原因はエアコンによる湿度の低下。乾燥した環境の中にずっといると鼻の中も乾燥する。
ドライノーズは様々な疾患を引き起こす
鼻の中の炎症がさらに広がると、「のどが痛い」、「咳が止まらない」、「発熱」などの症状がでる。インフルエンザウイルスの感染も出ててくる。
鼻の粘膜は外部の病原菌やウィルスを50〜80%カットしている。しかし炎症をおこすとそのバリア機能を失ってしまうため、風邪やインフルエンザなどの様々な疾患にかかりやすくなってしまう。
さらにドライノーズになると肺炎のリスクが高まる。鼻がバリア機能を失い原因菌が侵入しやすくなるため。
ドライノーズは暖房が効いた密閉された空間で起きやすい
人が快適に過ごせる湿度は60〜40%。40%以下だとウイルスや細菌が活発化し、60%以上だとダニやカビが発生しやすくなる。
ドライノーズを起こしやすい場所は暖房がよくきいている密閉された室内。飛行機の中は湿度が20%以下になることもある。
意外な盲点なのが車の中。密室空間で加湿機能が備えられているとは限らない。さらにかなり使う頻度が高い。
実際に車の走行前の湿度を測ってみると28%。暖房をかけ車内の温度を26度に保って20分間走行した後、再び車内の湿度を測ると16%に低下。
これはサハラ砂漠とほぼ同じ湿度。ドライノーズだけではなく、ドライアイや肌荒れなど身体に様々な悪影響を及ぼしかねない。
こんな人は要注意!ドライノーズチェック
- 1日5時間、週3日以上加湿器のない暖房の効いた部屋で過ごす。
- 鼻がよくムズムズする。
- 鼻くそがよくたまる。
- 何もしていないのに鼻血がでる。
- 花粉症やアレルギー性の鼻炎を持っている。
2つ以上当てはまったらドライノーズの可能性あり。
ドライノーズの予防・改善法
鼻の粘膜が乾燥しているので、加湿をするためにどうしたら考える。
一番いいのが鼻うがい。鼻の粘膜にうるいおいを与えるだけではなく、ウイルスの洗浄など感想による鼻トラブルを防ぐのに効果的。
鼻うがいのやり方
- 1
-
ぬるま湯(36〜37度)1リットルに対して塩9g(小さじ約2杯)を溶かして生理食塩水を作る。この体液とほぼ同じ浸透圧の水が生理食塩水。真水で行うと鼻や耳の奥が痛むので要注意。
- 2
- この生理食塩水を鼻からゆっくりと吸い、鼻と口からゆっくりと吐き出す。朝と夜、1日二回鼻うがいをすると良い。
この鼻うがいはドライ―ノーズだけではなく、風邪や花粉症、副鼻腔炎、鼻づまりにも効果的。
鼻の乾燥対策
乾燥して荒れ気味の鼻には、スプレー状の洗浄液や濡れたガーゼなどをあてたマスクが効果的。
加湿対策には観葉植物が効果的
加湿対策は加湿器の完備や、洗濯物を室内に干すなど様々あるが、目にも優しい観葉植物が効果的。
吸収した水分を葉から蒸発するため、天然の加湿器になる。葉っぱが多い植物ほどたくさんの水を蒸発するため加湿効果は高い。
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