2012年7月9日放送のテレビ東京・主治医が見つかる診療所では、誰でもカンタン!若返って病気知らずに!カンタン免疫力アップ法ということで、免疫力を高める方法や食事のレシピ(塩麹・ヨーグルトドレッシング)・がん細胞を抑制するナチュラルキラー(NK)細胞、笑いなどについて紹介していました。
この記事の目次
免疫の正体はリンパ球
順天堂大学医学部免疫学特任教授の奥村康医師が免疫について解説。奥村医師の免疫の論文は世界中の医師に最も引用された論文として表彰されている。
免疫の正体は体の中をぐるぐる回っている血液中のリンパ球。
例えるなら、ウイルスや悪い菌などと戦って倒してくれる、軍隊のようなもの。病気を引き起こすウイルスなどが体の中に侵入した時に瞬時に反応し、戦ってやっつけてくれる。
病気の時に熱が出るのは軍隊が戦っている証拠。軍隊にはかぜに対抗する部隊・食中毒に対抗する部隊・インフルエンザに対抗する部隊など、様々な部隊がありそれぞれ戦う相手が決まっている。予防接種は、ワクチンをうって軍隊を増やしている様なもの。もう1回かかった場合にすぐやっつけられる。(特定の病気に対する免疫を増やしている)
免疫力は体の防衛の基本なので非常に寿命に影響する。いろいろな環境、体調で変動する。免疫力が上がれば肌も綺麗になる。
例えば単純ヘルペスはヘルペスウイルスが原因で主に口の周囲にでき、皮膚が赤く変化しむず痒くなる小水疱ができる。ヘルペスのばい菌はいつでも体にあるが、かぜなどによる発熱・葉痛・過労・ストレスなどが免疫力を低下させ、発症につながる。
感染していても抑圧しているのが免疫力。がんなども免疫力が弱まっているときになっている可能性がある。
がんを抑制するナチュラルキラー(NK)細胞
リンパ球の約2割は、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)といい、お巡りさんの様に常に体内をパトロールして、外から入ってきたウイルスを最初に撃退し、さらにがん細胞も小さいうちにをやっつける働きをしている。
ナチュラルキラー細胞の強さが高い人と低い人を追ってくと、低い人のほうが発ガン率が高い。明らかに高い人のほうが長生きするし、免疫力・ナチュラルキラー活性を上げると若返る。
ナチュラルキラー細胞は夏の体調不良(夏バテ・夏かぜ・食あたり)に加え様々な病気や不調と戦う正義の味方。
私たちの体の中には、5000~6000個のがん細胞が毎日生まれている。それをNK細胞が毎日倒してくれ、がん細胞の増殖を防いでくれているのでがんにならない。
今年4月ナチュラルキラー細胞を培養し、がん細胞を抑制する臨床実験が始まった。がん細胞が約10億個に増えると画像診断が可能な大きさになると言われている。
人の健康や若さに関する免疫力の、中心を担っているのはNK細胞。しかしそのナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、歳をとると力が落ちる。ある研究によるとナチュラルキラー細胞(NK細胞)は20代がピークで、50代で約半分、70代で約1/10になってしまう。
免疫力測定方法
NK細胞は、血液中にいて外敵に備えているので採血検査で免疫力を測定できる。
検査の方法は血液の中から取り出したNK細胞を、がん細胞と戦わせ、一定時間でどれだけのがん細胞を倒したかで測定する。
免疫力基準値(参考値)
18~40 (男性23~50歳、女性21~55歳の平均値から算出)
※約7割の人がこの基準値に当てはまる
新見医師によると免疫は、バランスが大事だから、過ぎるのは良くないという意見もあるが、今回測定した免疫力は、がんに対する免疫なので、多いに越した事はないと考えられるそうです。
免疫力アップには腸内環境がポイント
NK細胞の70%は腸にある
口から体内に取り込んだ、良い栄養や悪い細菌は、最終的に腸で吸収されるため、悪い細菌に備えたNK細胞は腸に多くスタンバイしている。そのため、NK細胞の70%は腸にあり、大腸よりも小腸に多くいる。まさに腸は体を守る最後の砦。
南雲医師によると、体にはいくつものバリアがあり、口の中の唾液もひとつのバリア。最終的な入国審査の1番大切な所が小腸のリンパ。免疫がよく働けば、腸の環境も良くなり、栄養環境も良くなるし、感染に対する防御機能も良くなる。それが若さや美しさにも関係してくる。
NK細胞のサポーター「乳酸菌」
さらに腸には、NK細胞の強力なサポーターとなる善玉菌の乳酸菌がある。
乳酸菌にはNK細胞を活性化させる働きがあり、腸内の乳酸菌が増えるとNK細胞もパワーアップする。
例えるなら、乳酸菌は年をとっている居眠りをしているお巡りさん(NK細胞)を起こして元気に働かせる、街の市民的存在。
乳酸菌を上手に摂取し、腸内環境が良くなれば年をとってもNK細胞がしっかりと働き、免疫力がアップし、いつまでも若く病気知らずでいられる。
乳酸菌は発酵食品に多く含まれる
善玉菌を増やすには、乳酸菌をたくさん摂る。具体的にはヨーグルト、古漬け、ぬか漬け、キムチを食べるのが良い。できるだけ酸っぱい漬物が良い。
乳酸菌は主に発酵食品に多く含まれていて、大きく分けて、植物系と動物系に分けられる。このうち植物系の乳酸菌はぬか漬けやキムチなどの漬物に多く、乳酸発酵により独特の酸味や旨みが引き出されている。
一方、動物系の乳酸菌はヨーグルトやチーズなどに多く含まれる。牛や羊などの乳を乳酸発酵させて作ったもの。中でもヨーグルトは1mlの中に乳酸菌が10億個以上もいるのでとても効率良く乳酸菌を取ることができる。
善玉・悪玉とよくいうが、悪玉金は病原性が強くて危険だとかそういうことではなく、野菜を中心に食べているときに繁殖するのが善玉菌。お肉屋脂っこいものなどを食べているときに繁殖しやすいのが悪玉菌。
悪玉菌はお肉を消化するためにはどうしても必要。ところが悪玉菌がどんどん繁殖して、お肉を消化する胆汁酸という消化液と一緒になると、ものすごく強い発ガン効果がでてしまう。なので常に善玉菌を補ってやらなければならない。
毎日食事で乳酸菌を取るのが難しい場合はサプリメントで摂取するのがおすすめ。
180億個の植物性乳酸菌が腸まで届く!?ラクトフェリン+ラブレ
姫野医師オススメ!免疫力アップのためのヨーグルトレシピ
乳酸菌だけではなく食物繊維と組み合わせると良い。
食物繊維は乳酸菌のエサになるので、ヨーグルトドレッシング+野菜で一石二鳥!
ゴマとマヨネーズのヨーグルトドレッシングレシピ
材料
- プレーンヨーグルト…大さじ2
- マヨネーズ…大さじ2
- すりゴマ…大さじ2
作り方
(1)合わせやすいように先にすりゴマとマヨネーズをあわせる。
(2)最後にプレーンヨーグルトを合わせれば出来上がり。
ごまに豊富に含まれる食物繊維が乳酸菌の働きを助け腸の調子を整えてくれる。ヨーグルトの程よい酸味とごまの香ばしさは相性バッチリ。野菜の食物繊維で腸がきれいに保てる。
ひじきと枝豆の和え物レシピ
材料
- ひじき(乾燥) 大さじ1
- 枝豆 50g
- ニンジン 1/4本
- サニーレタス 少々
- ゴマとマヨネーズのヨーグルトドレッシング 15cc
作り方
(1)白和えのようにごまマヨネーズドレッシングを、ひじき・人参・枝豆にたっぷり絡めれば出来上がり
ひじきの食物繊維と枝豆に含まれるオリゴ糖はどちらも乳酸菌の餌になる。さっぱりしてるので暑い夏にもぴったり。
塩麹ワサビ入りヨーグルトドレッシングレシピ
材料
- プレーンヨーグルト 大さじ8
- 塩麹 小さじ2
- ワサビ 小さじ1/2 ※お好みで
作り方
(1)塩麹とわさびを混ぜてからヨーグルトを加えれば出来上がり。
塩麹は乳酸菌が多く、タンパク質・脂質。炭水化物を分解する酵素が含まているので料理に加えることで胃腸の負担を減らせる。サラダの他に肉料理のソースとしても使える。
冷製大豆スープ
材料
- 絹ごし豆腐 1/2丁
- 豆乳 100cc
- 万能ネギ 少々
- オリーブオイル 少々
- 塩麹ワサビ入りヨーグルトドレッシング 66cc
作り方
(1)ミキサーに豆腐、豆乳、ドレッシングを入れるて、軽く混ぜ合わせる。
(2) 万能ネギとオリーブオイルを加えれば出来上がり。
乳酸菌について
乳酸菌は強い熱で加熱すると死んでしまうが、菌の持っていたタンパク質が、体の中に入ってきて小腸のリンパに触れる事によって体には菌が来たと認識され、免疫が賦活する。乳酸菌は約40度で死滅してしまうが、冷凍しても死滅しない。
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笑いで免疫力アップ
中央群馬脳神経外科病院理事長の中島英雄医師は脳神経外科医であると共に落語家でもある。小学校3年生の時に、後の十代目桂文治師匠の門下に入門し、1986年に初代「桂前治」を襲名。
笑いがもつ医学的な効果に注目し、14年前に病院内に寄席の舞台を作り、月に1度「病院寄席」を開演。
中島医師による笑いと免疫の解説
笑うという事は運動系で、ストレスホルモンを燃焼させて消す。
寄席に来た患者さんに対して、笑う前後に採血をし、免疫力の変化を比較すると、笑った後の方が免疫力が上がっていた。
逆にホラー映画を見せる前後で採血し、免疫力の変化を比較すると、ホラー映画を見た後は免疫力が落ちる。※どちらの実験も免疫グロブリンGの数値を測定したもの。
寄席に来ていた患者さんインタビュー
87歳/男性:ここ何年かは風邪をひいていない。
85歳/女性:今までに1回も大きな病気をした事が無い。元気の源は中島医師の落語を聴いて良く笑う事。
脳梗塞で倒れた男性:数年前に脳梗塞で倒れ、言葉に障害を患う。文字も書けなかった。発症して3年位経ってから落語を聴きに来る様になった。落語を聴いて、楽しい時間を過ごす事もリハビリになると語る。
家庭でも簡単にできる笑う方法
簡単なクイズをやるといい。答えが分かった時にふっと笑いが出る様な、そういうバカバカしい内容がいい。
例:問)病院に飛んでいく鳥は、何と言いますか?
答)九官(急患)鳥
主治医解説
秋津医師
免疫力を高める笑いのポイントは、わざとでもいいから1日1回大笑いする事。
イメージとしては呵々大笑(大きな声でからからと笑う事)
ウソでも笑ってると、楽しい気分になる。
主治医オススメ免疫力を高める方法
姫野医師 スポーツ観戦
スポーツを観る時のドキドキワクワクで脳内のホルモン。ドーパミンが分泌され、免疫力が上げる。
さらに応援しているチームが勝つと、更に免疫力が上がるそうです。
南雲医師 闘争
スポーツを観るのも、スポーツをするのもある意味で行ったら模擬戦みたいな戦い。戦いの時こそ免疫力が上がる。
新見医師 散歩30分
気持ち良く歩く事が1番いい。
上山医師 時には食事前に手を洗わない
最近は衛生的に過敏になりすぎている。
時として、定期的にバイ菌をちょっと入れた方が、免疫力は元気になるのではないかと思う。
秋津医師 自分の体をねぎらう
科学的な根拠はないが、自分の体に感謝してあげる事、おだててあげる事がすごく大事。
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