2012年12月3日放送のテレビ東京・主治医が見つかる診療所「免疫力アップSP第3弾」では、HSPヒートショックプロテインを高める入浴法などを紹介していました。
ヒートショックプロテインとは?
ヒートショックプロテインとは略してHSPとも呼ばれる体の中に広く分布している物質。1962年にイタリアの遺伝学者リトッサ博士が発見したタンパク質の一種。
その名の通り、熱を与えることで増え、体の中の傷ついたタンパク質を修復し細胞を元気にするレスキュー隊のような存在。ヒートショックプロテインが増えるとガンをやっつける免疫細胞が活性化し、そのパワーが高まるとも言われている。
番組では免疫細胞ががん細胞をやっつける試験官での実験映像を紹介。実験温度35度のときには免疫細胞ががん細胞をやっつけてどんどん消していっている様子がわかった。
実験温度を39度に設定すると免疫細胞の中のヒートショックプロテインが増加。すると35度の時よりも免疫細胞が速く動きがん細胞をより早いスピードでやっつけていた。
まだ研究段階だが、熱を加えたことでヒートショックプロテインが増え、免疫細胞が強化されたと考えられる。この実験は試験官でやっている研究段階のもので、これからがん細胞が人間の体の中でどういった様に食べ尽くされていくかというのをこれから研究していく。
ヒートショックプロテインを増やして免疫力アップ
番組では大分県竹田市直入町の患者さんのヒートショックプロテインを増やし免疫力アップを試みている伊藤医院を紹介。直入町は人口2542人の40%以上が高齢者という町。
病気の治療はもちろんのこと、ここにくるようになってから病気になりにくくなったという方も多く、今では県外からも患者さんが通うようになったそうです。院長の伊藤恭先生によると独自の治療法の秘密は病院内にあるお風呂。
ここ直入町は最近注目されている長湯温泉という温泉地。その泉質には大きな特徴がある。それがお湯の中に高濃度の二酸化炭素が溶け込んだ天然炭酸泉。
天然炭酸泉は日本各地にあるが中でも長湯温泉はその濃度が異常に高いそうです。そしてこの炭酸泉は高血圧や心臓病の改善に効果があると言われている。
この温泉の効能に目をつけたのが伊藤先生父親で医師でもあった伊藤孝さん。今から38年前、病院の敷地内に温泉を堀り天然のお湯を治療に活用した。2代目になっても温泉療法は継続。医師のチャレンジ精神を受け継ぎ、ヒートショックプロテインにも早くから注目し研究を続ける温泉療法のエキスパート。
そんな伊藤医師が提唱している免疫力をアップする入浴法を紹介。
免疫力アップ入浴法
- 1
- 温度計・体温計・ストップウォッチなど時間が測れるものをを用意する。
- 2
- 温度計でお湯の温度を約40度にする。
- 3
- 時間を計りながら胸までつかる。
- 4
- 2分入浴したらお湯から上がり一旦休憩する。
- 5
- これを5回繰り返し合計10分間入浴する。
- 6
- お風呂から出た後は体温を下げないようにすぐに布団などにくるまって30分間保湿する。この時舌下体温が平熱から1度異常高くなっていればOK。
- 7
- 脱水を防ぐため入浴前後は水分補給をする。
※高齢の方や治療中の病気がある方は主治医の相談の上入浴する
伊藤医師によるとこの入浴法を毎日行った患者さんのヒートショックプロテインの量がおよそ1.5倍にまで増えたそうです。
またこの入浴法によるヒートショックプロテインの増加はその後最低4日間は持続するそうです。中には1週間持続したケースもあった。つまりこの入浴法を4日に1回行えば効果は持続する。
この入浴法を毎日長時間行うと逆にヒートショックプロテインが出にくくなるという実験結果もある。またロンドンオリンピック女子マラソン16位の木崎良子選手が遠赤外線温熱器で体を温めてトレーニングを行なっていたとのこと。
炭酸泉の作り方
簡単に炭酸泉を作るには重曹を小さじ1杯入れる。食塩だと大さじ1杯くらい入れる。
炭酸泉と食塩泉が体温を上げることで有名。またお酒も保温効果があり体が温まるのでおすすめなんだそうでうす。
全国の天然炭酸泉
北海道…五味温泉
青森…みちのく温泉
秋田…玉川温泉
福島…大塩温泉
長野…稲子湯温泉
岐阜…湯屋温泉
兵庫…有馬温泉
島根…小屋谷原温泉
福岡…船小屋温泉
大分…長湯温泉
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