みんなの家庭の医学 心臓の骨化の原因と予防&改善方法【2月17日】

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2015年2月17日(火曜日)放送のテレビ朝日・たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学「カラダ(秘)老けないSP」では、心臓の老化研究の第一人者で東京都健康長寿医療センター副院長原田和昌先生が心臓の骨化の原因や対処法などについて解説していました。

心臓は休むことなく身体の隅々まで血液を送り届けるポンプの役割を果たす臓器。生命を維持し続けるためのまさに心臓部。

一日に送り出す血液の量は2リットルのペットボトルが3600本分。そのため握りこぶしほどの心臓がドキドキする回数は1日におよそ10万回。一生の鼓動の回数は約30億回。まさに体内一の働き者。

しかしそんな心臓を動かし続けている筋肉も歳を重ねるにつれ細くなっていき、心臓は徐々に小さく硬くなっていく。それだけではなく、これに伴なう新たな心臓の老化現象が近年の研究で明らかになってきた。

死亡率が10倍になる新たな心臓の老化現象「骨化」

骨化とは心臓が骨のような状態になってしまうこと。骨のようにガチガチに骨化して将来的に心筋梗塞を起こす原因になると言われている。

健康な60代男性の心臓の3DCT画像。心臓の周りに枝のように3本伸びているのが冠動脈という血管。骨化が起こるのはこの冠動脈。

心臓の骨化の画像

骨化を起こしている心臓の3DÇT画像を見てみると冠動脈の部分がボコボコになっている。

心臓の骨化の画像

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これが骨化した冠動脈。実は今このように心臓の冠動脈が骨化している人が多いという事実が判明。

さらに2005年に米国で行われた大規模な追跡調査によると、骨化がある人は骨化がない人に比べ、心筋梗塞等での死亡する確率が10倍以上も高かった。

冠動脈が骨化している人の割合(男性)は50代で16%、60代以上になると20%。(出典:ヘリカルCTを用いた冠動脈石灰化の検出と懐石)

女性の場合は閉経後に骨化が急激に進むと言われている。

骨化はプラークにカルシウムが溜まった状態

心臓の骨化が起きているのは加齢や乱れた生活習慣によって血管が固くなってしまった動脈硬化の部分。

動脈硬化を起こしている血管内には長年脂肪分などが蓄積してプラークと呼ばれる柔らかい袋状の塊ができてしまう。

骨化はこのプラークの中に何らかの原因である物質がたまった状態。その物質こそがカルシウム。

骨や歯など、固い組織の材料となるカルシウムが、冠動脈のプラーク内に沈着して固まってしまった状態。これこそが骨化。

骨化の危険性

通常の動脈硬化によるプラークの中身は、主に脂肪分や細胞のしがいなど固くないものばかりなので、プラークがよほど大きくなるまで破裂しない。

しかしプラークの中で骨化したカルシウムはゴツゴツと固く角が立った状態。すると小さな衝撃でも破裂し、冠動脈が詰まり心筋が壊死してしまう心筋梗塞に。

プラーク内が骨化しているのはまさに風船の中に剣山を入れているようなもの。少しの衝撃で割れてしまう。

だからこそ骨化した動脈硬化は通常の骨化していない動脈硬化よりも心筋梗塞を起こしやすく突然死を招く危険性がある。

しかしだれでも年と重ねれば多かれ少なかれ動脈硬化でプラークは溜まっていくもの。

ではその中で骨化が起こってしまう人と骨化が起きない人の違いは?

骨化の原因はカルシウム不足

生活習慣がとても大事で、食生活では非常に大事なのはカルシウムをどれだけ摂っているかということ。

骨化するかしないかは普段のカルシウム摂取量が大きく関係している。カルシウムが足らないと骨化が進む。

カルシウム不足こそが骨化の大きな原因の一つ。

体内にあるカルシウムの99%は骨や歯などの方い組織を生成するのに使われている。残りの1%は血液中や筋肉などに存在していて、出血した血を固ませたり、筋肉を収縮させたりと大切な役割を果たしている。

そのため食事によるカルシウムの補給が足りずりず、血液中の血液量が低下してしまうと、身体が危険と判断しカルシウム不足を伝えるホルモンが全身に分泌される。

この指令が出ると身体はカルシウムの貯蔵庫である骨からカルシウムを溶け出させから血液中に補給する。食事で足りない分のカルシウムは骨から補われる仕組みになっている。

さらにそのホルモンの信号を受け取った冠動脈は、自らのプラークに骨から流れ出たカルシウムを吸収・沈着させてしまう。

こうしてプラーク内にカルシウムが徐々にカルシウムが溜まり続けると、プラークを内側から破裂させ、心筋梗塞を発症させてしまうという最悪の結果に。

なぜ冠動脈の骨化で心筋梗塞等、死亡率が10倍以上になるのか?

メカニズム的にはしっかりとわかっていないが、主な原因はプラークが非常に不安定で破れやすくなること。

正常な冠動脈の断面と骨化した冠動脈の断面の画像を比べてみると、骨化した冠動脈は血液の通り道が狭くなっていることがわかる。

心臓の骨化の画像

心臓の骨化の画像

柔らかいプラークの膜に硬いカルシウムが当たっている状態なので、血圧が上がるなどの日常のちょっとした変化でプラークが破れ血液や油が飛び出す。

すると傷口を防ごうと集まってきた血小板が固まり血栓を形成。心筋梗塞を起こしてしまう。

さらに血管の骨化は血液を送り出す心臓自体にも負担をかけるため、不整脈や心不全といった病も引き起こしやすくなり、死亡率が10倍以上も高くなってしまう。

心臓の骨化の画像

骨化をを予防・改善する方法

心臓の骨化を防ぐ第一歩はカルシウムを毎日の食事でしっかり摂ること。さらにカルシウム以外の2つの栄養素を摂ることが大事

その2つの栄養素とは「EPA」と「ビタミンK」。

EPAはさばなどの青魚に多く含まれ、医療現場では動脈硬化の薬にも使われている栄養素。EPAを摂取すると動脈硬化に直接作用。血管の状態を改善し、骨化の温床を潰してくれる。

一方ビタミンKは納豆や緑黄色野菜などに多く含まれるビタミンの一種。体内では血管の内部に入り込み、動脈硬化を起こした血管壁にカルシウムが沈着することを防ぐ、いわばバリアーの働きを担う。

カルシウムに加えてこれら2つの栄養素をしっかり摂ることで初めて心臓の血管が骨化から守られ、心臓の若返りにつながると考えられている。

しかしこれらの栄養素をただ摂ればいいというわけではない。

一回にたくさん摂った場合、急に血液中の濃度が上がって要らない分はそのまま出てしまう。骨化を防ぐという考えでは毎回小分けにしたほうが良い。

特にカルシウムは食事のたびに吸収できる量に限りがあり一度に多量にとっても吸収できなかった文は体外へ排出されてしまう。

そのため3度の食事で3つの栄養素を一定量摂る小分けの食べ方が心臓の骨化を防ぐ効果的な食べ方。

骨化を防ぐ為に望ましい1食あたりの摂取量はカルシウム:269mg、EPA:333mg、ビタミンK:50μg。

どの食材をどの程度食べればいいのか?

カルシウムの場合、1食につき煮干し59匹。EPAは1食につきアジの切り身を11切れ。ビタミンKははミニトマトを1食につき45個。

番組では家庭料理研究家の奥薗壽子さんがこれらの栄養素を摂取できる料理のレシピを紹介していた。

毎回この3つの栄養素を使って料理するのは大変なので多めに作って保存できるようにするとのこと。奥薗さんが目指す料理は骨化を防ぐ栄養素が必要なだけ入った常備菜3品。

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奥薗壽子,みんなの家庭の医学編集部

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