2015年2月11日(水曜日)放送のNHK「歯が抜ける!30代から悪性虫歯&入れ歯の新常識」では、大人の虫歯について解説されていました。
大人を襲う悪性虫歯
大人の虫歯は痛くない
子供の時は痛かった虫歯。しかし大人になると痛くないのでなかなか虫歯に気づきにくい。
実際に日本大学歯学部の村山良介先生が通行人の歯をチェックしたところ8人中6人に虫歯があった。
大人の虫歯と子供の虫歯の違い
人の歯の本体は象牙質という部分。外側にあるのはエナメル質。
エナメル質は硬くて丈夫なので象牙質を虫歯菌から守っている。しかし子供の時はエナメル質が未完成なので、虫歯菌が入り込んできてしまう。
大人の場合は成長するに従ってエナメル質がしっかりとしたものになり、象牙質を守ってくれるので大人になると基本的に虫歯にならない。
しかし大人の歯のは弱点は歯茎が下がってきてしまうこと。
歯茎が下がった部分は虫歯菌に弱い象牙質がエナメル質に守られずに丸裸の状態。
そのため大人の虫歯は根本にできる。
大人が虫歯になりやすい原因はもう一つある。
虫歯は治療後の凹凸にできやすい
治療をすると人工物と元々の歯の間に凸凹ができる。その凸凹に虫歯ができやすい。
治療を終えるともう大丈夫という気持ちになりがちだが、治療をしたあとが危ない。
上の画像はブリッジをして根本の歯が虫歯になってしまった人のブリッジを外したら時の虫歯。
橋桁になった部分の歯を全部抜いて治療しなくてはいけなくなって、ブリッジを作ってわずか二年で入れ歯になってしまった。
大人の虫歯痛くない理由
番組では大人虫歯のエキスパート・日本大学歯学部の宮崎真至教授が大人の虫歯が痛くない理由を解説。
大人虫歯も子供の虫歯と同じように原因はミュータンス菌。痛くない理由は菌ではなく構造。若い人(10代)の歯と中高年(50代)の歯では構造が違う。
歯の内部を見てみると神経の入っている部分の空洞が50代の方は狭くなっている。
大人の歯に虫歯菌が入ってくると痛みの素から神経を庇うかのように象牙質が厚みを増していく。
ただしそのために気づかないうちに虫歯は進行していく。痛くないから大丈夫と思っているうちに抜くしかなくなってしまう。
一本歯が抜けると次々と歯を失う
一本歯を失うと次々と歯が失われていく。これは顎の骨が原因。
あごの骨というのは大人の歯を作る工場で、鼻の下の部分や横のところでも歯を作っている。
歯が抜けることによって歯の周りにあった顎の骨は自分は用がなくなったと判断して溶けていってしまう。
なぜ骨は溶けるのか
一本歯が抜けると土台の部分の骨が用済みになってなくなる。
すると両側の歯がこのくぼみに向かって倒れこんでくる。
しかも元々あった歯は上の歯と互いに力を加え合っていたので、下の歯が抜けると上の歯は相手を探し求めるかのように下へ伸びてくる。
すると歯並びが悪くなっていき、かみ合わせは崩れる一方。このとき歯磨きが不十分だったりすると虫歯や歯周病が発生して次々と歯を失うことになる。
失われるのは歯だけではなく骨も失ってしまう。
見えている歯の下は網目状になっていてその骨に歯が埋まっている。
歯にかかる力を受け止めて、偏った力が加わる所があれば骨が形を変えて調整している。
年をとると歯茎がやせるというが、実際は顎の骨が下がっている。
どんな人が次々と歯を失う危険があるのか?
黄色信号
奥歯の前から6番目、7番目の歯が連続して失われている人は黄色信号。
この2本の歯はものを噛むときに重要なは役割を担う。この2本がなくなるとだんだんと上の歯が伸びてきたり、顎の骨も少なくなる。
赤信号
上下、左右で6・7番の歯が連続して失われている人は赤信号。
これまでの研究を見るとこのパターンは歯がなくなる割合が大きくなっている。
3本連続して奥歯が失われている人も赤信号。
自分でできる歯を守る術
- 自分で歯が変色しているところをチェック。特に詰め物の周り。
- 半年に一度は視界のチェックをしてもらう。
歯の磨き方
歯ブラシは鉛筆のように持つ。
爪の根元に歯ブラシを当てて話した時に白くなるようだと圧力が強すぎる。
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